毎年ゴールデンウィークをどう過ごすか、四月中旬あたりから良く考えます。旅行に行ってもどこも混雑して動けなくなり疲労するばかり( ;∀)そこで趣味の読書、漫画、アニメ、映画等鑑賞の中で一つジャンルをを絞って集中して楽しむようにしています。
以前から試みてみたかったのですが、今年は80年~90代アニメ映画に絞り込んでみました。一度見た作品ではありますが、当時の年齢(10代)で味わった衝撃と興奮を懐かしみたい気分もありました。
一晩に映画1作ということで8日間で8作。ラインナップは下記のとおりになりました。
●「幻魔対戦」
●「地球へ」
●「カムイの剣」
●「ヴァンパイアハンターD」
●「北斗の拳」
●「クラッシャージョウ」
●「レンズマン」
●「11人いる」
角川映画多いですね( ^)o(^ )。当時は角川が原作からかなり挑戦的なアニメ作品を次々に出しており、TVチャンネル数が少なくアニメ作品があまり観れなかった宮崎で、当時私は興奮の真っ只中でした( ^)o(^ )
公開時は劇場で観れず、テレビのロードショウで鑑賞した記憶があります。超能力バトルの描写が鮮烈で、かつ得体のしれない宇宙規模の敵の不気味さ(80年代アニメの真骨頂!)も印象的でした。映像だけでなく作中とエンディングの音楽も壮大で強烈に記憶に残っています(主題歌:ローズマリーバトラー「光の天使」が素晴らしい)
戦い続けた歴戦の勇士ベガを戦士達が見送る最後のシーンは美しいの一言。
テンポが悪い、キャラが原作イメージと違うなど評価もありましたが、大長編を2時間超に押し込めると多々そうなってしまうし( ;∀;)、10代の私は、ひたすら、りんたろう監督の描くアニメーション映像の迫力に圧倒されたのでした。
40数年ぶりの鑑賞では、「そう、この節操のない荒々しさ生々しさが角川、80年代アニメ!(^^)!」としみじみ感じ入りました。
②「地球へ」(竹宮恵子原作)
少女漫画界でも名高い名作のアニメ映画化。コンピュータが支配管理する世界で、人類と、超能力をもって生まれた人種の争い、各方を束ねる主人公達の確執の物語。主人公の1人の声を俳優沖雅也氏が務めており話題になりました。ある意味、その後の現実世界で発生する差別問題を予想していたようにも思える、テーマの重い作品でした。
それでもどこか爽やかな印象があるのは、ダ・カーポの歌う主題歌のイメージが大きい気がします。映像もゆったりと大らかな感じで美しい。描かれる超能力の描写は強烈で見応えがありますが、どこか儚い悲しさも感じさせます。主人公を含め、登場人物たちの多くは悲しい運命を辿り何とも切ないクライマックスを迎えますが、一縷の希望も残します。
当時小学4年生だった私は本作をテレビで観て、「偉いものを観てしまった!( ;∀;)」という衝撃で、一日中オタオタしていたのを思い出しました"(-""-)"。図らずも本格のSF大河ドラマを初めてアニメで観たインパクトだっのでしょうね( ^)o(^ )
異国の接近と戦乱で荒れる幕末の裏で蠢く忍者バトル、そしてアメリカ大陸の宝をめぐる冒険活劇。男の冒険心をくすぐる何かが濃く詰まった作品(≧▽≦)。原作がとにかく面白いのですが、アニメでこそできる、原作の醍醐味を十分すぎるほど活かし切った作品でした。
主人公の次郎を始めとする、忍者たちの戦闘アクションが迫力ありかつ怪しげで、とにかく観ていて楽しい。ちょっと現在のアニメでは見ない、くどすぎるくらい間を取ったケレン味強い戦闘描写にニヤニヤしてしまいます(主人公が使う必殺技は原作にはないので、これはアニメならではの素敵なサービス演出(≧▽≦))。主人公次郎の声は俳優真田広之氏が務めていました。氏が今でも海外映画(「モーたるコンバット」)で忍者や侍を務めているのを思うと興味深い。次郎の純朴な風貌に加え、真田氏の声も主人公の魅力を上げていました。
舞台も、北海道、アメリカ大陸、江戸と目まぐるしく変わり全く退屈しません。竜童組の音楽も各シーンを盛り上げていて気持ちよい。冒険活劇アニメはこう作れという見本といえそうなほどの完成度でした。本作宣伝のキャッチコピー「目覚めよ、冒険心」も素敵です。久々の鑑賞は、当時観た興奮を全く裏切らない薄めない、心地よさでした。
④「ヴァンパイアハンターD」(菊池秀行原作 OVA)
原作は、40年以上ファンを魅了し続けて続く怪物作。1作目から傑作ぞろいなのに私も数10年続きを読んでないことに気づき愕然。。。
本作は映画ではなくOVAですが、私は池袋シネマサンシャインで鑑賞し、アニメ映画という感覚です。荒廃した遥か未来世界で、依頼を受けて吸血鬼やモンスターと戦う主人公Dの物語。主人公Dを亡き名優塩沢兼人氏が演じています。本当にイメージ通りかつ美しい御声に泣ける、、、主人公(ホント無口)の右手に棲む喋る人面痣(波平の声)との掛け合いも面白い。
超絶剣技と異能が交錯する、凄惨なバトルと陰惨なドラマが息もつかせず繰り広げられ、映像の迫力は「これは劇場で観てよかったな、、、」と思える素晴らしさでした。
最後まで凄惨な戦闘が続く本作では、エンディングは爽やかな余韻を残します。最後に流れる主題歌TMネットワークの「ユア・ソング」は、明るく軽快で、本作の雰囲気から大分かけ離れていますが、意外と違和感はなく心地よく耳に収まります。実は歌詞の内容も作品テーマとしっかり合っています(「「~君を救うのは、時を越えた僕だけ~」」それにしても本当に、当時のOVA作品はどれも挑戦的で刺激的( ^)o(^ )
本作を久々に観て、久々に原作の続きを読まなければという気になりました( ^)o(^ )
云わずと知れた、80年代を代表する男の格闘バトル作品。実は宮崎では北斗の拳のアニメが観れず(チャンネルがなく)、アニメで北斗の拳を観たのは本劇場版が初めてでした。
原作を観て有名な各場面は知ってはいても、叫ぶケンシロウ、闘うケンシロウを観て、受験のストレスも忘れて一緒に観に行った友人と大興奮した記憶があります。
余計な事考えずにひたすらにカッコよく強い男の無双を観て痺れる心地よさ(ビルの底から蘇るケンシロウのド迫力とカッコ良さといったら)に、ビデオ化された本作を友人と繰り返して観た覚えも。うん、あの頃は病気だった( ;∀(でも夢中で幸せでした)
ただ、レイがラオウに圧倒される現場にてくてく歩いて向かうケンシロウに「ケンちゃん走れや!」と叫びたくなったのは当時も今回も同じ( ;∀;)、、、
今見返すと映像の粗さは感じるも、今のアニメではストップ掛かりそうな強烈な映像描写の数々にやっぱり笑顔になっている私(#^.^#)。この頃のアニメを知っている幸せをかみしめました。
日本が生んだ初のスペースオペラ小説のアニメ化。まだライトノベルという言葉もジャンルもなかった時代にこれだけの完成度高い娯楽作品を生んだ作者と当時のエンタメ熱の凄さ。
本映画もとにかく展開が早く、内容の豊富さと濃さに今見直しても「すっげえな、、、」と感心されられます。原作の出来の良さもあるのですが、とにかく娯楽作として、一瞬でも退屈させないものとして完成しています。同時期に公開された前述のアニメ映画「幻魔対戦」と比べると、本作の方が評価が高かったようですが、このテンポの良さからだと思われます。キャラクターの作画が原作と同じ安彦良和だったのもポイント高い。キャラクター達やメカ類の絵のカッコよさ、戦闘シーンの迫力もどのシーンとってもサービス精神にあふれてます。
ロボット物をテーマとした戦争ものはガンダムを始め多々アニメ作品がありますが、「スペースオペラ」というジャンルでは現在でも穴場のような気がします。80年代にこれだけの娯楽作が生まれていたことを思うと、当時のアニメーションにかけるスタッフたちのエンタメ熱を感じにいられないですね。公開から40年経って改めて観た今でも、初めて観たような鮮烈な印象でした( ^)o(^ )。
⑦「レンズマン」
アメリカの「スペースオペラ」金字塔がアニメーション化ということで、SFファンにもアニメファンも興奮させた作品。アニメ初のCG技術を駆使した演出も話題になりました。要所で登場するCGは、主人公がレンズを初めて装着したシーンで壮絶なほど細かく描かれていて当時は「な、何だこれ」と度肝を抜かれました。
物語としても、宇宙の悪を倒すために力を結集する戦士達という王道。それが新人の若い戦士の成長譚として伸び伸びと描かれていて、映像の綺麗さと相まって心地よかったですね。
主題歌がアルフィーの「スターシップ~光を求めて」。この曲が良かったな~(#^.^#)。今でもアルフィーの曲では一番好きですが、本作の主題歌だったイメージもあるような。作中の大事な場面でアレンジバージョンで流れていたのが印象的です。
本作のほか「キャプテン・フューチャー」(NHKで放送)とか、当時はアメリカの有名SF作品を上手に面白くアニメ化されていた記憶があります。ライトノベルのアニメ化も良いですが、そうした志向のある製作者が登場しないかと期待しています。
⑧「11人いる」(荻尾都)
原作漫画は50年近く昔に描かれたと思えないほど、SF要素を盛り込んだサスペンスドラマの傑作。
登場人物一人一人も個性豊かに魅力的に描かれてます。事件が起き、謎が説かれていく過程にもSFネタが仕込まれていて油断できない。舞台となる宇宙船の中で悲惨な事件も起き、傷つく人も多く出ますが、最後は温かい大団円を迎えます。30年ぶりくらいに観ましたが、GW最後の鑑賞にに本作を選んでよかったと思いました( ^)o(^ )。
おっさんが長々と纏まりもなく語ってしまいました( ;∀;)、、、しかしどの作品も久々に鑑賞して懐かしく感じつつも、新たな面白さの発見もあって、今年のGWはいい選択をしたな( ^)o(^ )と思えました。
アニメの映像は年々技術が発展していますが、その時代時代のスタッフが情熱と才能を傾注して作った良作は、時代を経ても古くならないと感じました。
今のアニメーションとの違いは、「テンポの良さを犠牲にしてでも要所のシーンに割と思い切って「間」を取るな、、、」というところ。その代わり別の場面では容赦なく高密度のアクション描写等が入り、その緩急が凄い。そこが何か良い味出してるなとも感じます。
また音楽の使い方が、作品内部との連動で強烈だなと思いました。
「幻魔対戦」では、名シーンの記憶は主題歌「ローズマリーバトラー「光の天使」」
とともに蘇るし、「地球へ」も、凄惨な場面ですらダ・カーポの歌う主題歌が頭の中で流れます。
まあ私の頭の中だけでなく、作品の当時の宣伝で本当に主題歌が強かったんですね(#^.^#) 実際どの作品も、セリフなく音楽と映像だけで語る場面が結構多く、長い( ;∀;)
「カムイの剣」では竜童組の音楽が、北斗の拳では「ハートオブマッドネス」が浮かんできます(^^)。何となくですが、今のアニメよりも音楽・唄と作品テーマ・内容との繋がりが強烈。
他愛もない、いち古参の年季入ったアニメファンの感想と考察でした(>_<)( ;∀;)。長くアニメを観ていると、作品への印象が変わった自分に流れた時間を考えたりもして、中々感慨深いものだな( 一一)などとと感じた令和6年のGWでした( ^)o(^ )<(_ _)>。